会社の広告動画を作るために、まずは複数の動画制作・映像制作会社に見積もりを依頼する企業の担当者は多いことでしょう。
しかし、依頼する動画制作会社によって、見積書の金額に大きな差が出たり、見積項目の費用が何のための費用なのかが分かりにくいことが非常に多いです。
「見積もりの金額は本当に適正なのか」、「法外な料金を見積もられているのではないか」と不安に思う担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、動画制作の見積書の見方や、見積もりを安くするための方法について解説します。
これから複数の動画制作会社から見積もりを取ろうと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
動画制作の見積書に記載されている項目には様々な種類があります。
見積もりを依頼する制作会社によっても、表記の仕方や、費用の対象範囲が異なります。
よくある項目は下記の通りです。
各項目の意味と見方について、それぞれ順番にご説明します。
企画・構成費用とは、クライアントの目的や要望をもとに、動画視聴者へ効果的な訴求をするための、シナリオや演出方法などを決めていく費用のことです。
企画・構成は、動画制作の初期段階となりますが、この段階で撮影方法・方針・場所・日程・キャスティングはもちろん、機材調達やどのような映像表現を使うかまで決定します。
動画制作の中では、非常に重要な段階であり、企画・構成次第で、訴求力の高い動画が作れるかどうかが決まります。
費用を安く抑えるためにクライアントが事前にシナリオを作る場合もありますが、訴求力の弱い動画となってしまうこともあります。
企画・構成は、費用はかかっても、制作会社へ依頼したほうが、より訴求力の高い動画を作れるため、強引にこの部分の費用をカットすることはおすすめしません。
動画制作費用とは、撮影された動画に対して、動画編集ソフトを使って、アニメーションを入れたり、カットやテロップ入れを行ったりする作業にかかる費用のことです。
近年は「実写のみ」の動画制作を行うことはなく、様々な効果を追加して、よりインパクトのある動画を作ることが多くなりました。
オリジナルのイラストや、3D、モーショングラフィックなどの特殊効果を入れる場合は、その分制作スタッフが必要になり、見積金額が高くなります。
映像だけ制作会社に撮影してもらい、編集は自社で行う場合は、動画制作費用を抑えられるため、社内に動画の編集を行うリソースがある場合は、そのような依頼も検討すると良いでしょう。
人件費とは、カメラマンやディレクターなど、動画制作に関わるスタッフにかかる費用のことです。
ヘアメイクアーティストやスタイリスト、キャストやエキストラを使う場合は、これらのスタッフに対する人件費も必要です。
人にかかる費用は高額になりやすい傾向にあります。
費用を抑えたい場合は自社の社員をキャスティングするなどして、できる限り外部のスタッフを使わないようにすることがポイントです。
機材費とは、カメラの使用にかかる費用のことです。
撮影で使うカメラは、業務用のカメラが使われますが、性能に大きな差があります。
より高性能な業務用カメラで、高画質な動画を作りたい場合は、その分機材費が高くなります。
また、使用する機材が多くなるほど、この機材費は重なるためリッチな動画を作りたい際は注意が必要です。
撮影場所費とは、スタジオの使用などにかかる費用のことです。
スタジオや、特殊なロケーションで撮影する場合、スタジオ使用料や撮影協力の謝礼などの費用がかかります。
複数の制作会社から見積もりを取ると、制作会社ごとに見積書の金額が大きく異なることがあります。
制作会社ごとに見積書が異なる理由は、下記の2点です。
それぞれ順番に解説します。
広告代理店などの代理店企業は、社内に動画制作の機能を持たず、提携する動画制作会社へアウトソーシングするケースがほとんどです。
そのため、見積もり金額にマージンや営業手数料が乗っており、動画制作会社やクリエイターへ依頼した場合に比べて高くなります。
ただし、以下のような要望があるクライアントは、代理店企業のほうがメリットがあります。
代理店は広告やマーケティングの観点において、豊富な知見を持っていることが多いため、上記の目的がある場合は、代理店と契約を結ぶことを推奨します。
動画制作は、担当するクリエイターによって、クライアントからの要望に対する動画のイメージが異なります。
例え要望内容が同じであっても、クリエイターが思い描く動画のイメージが異なれば、その動画を作るまでの「企画・構成費用」「動画制作費用」「人件費」「機材費・撮影場所費」などにも影響します。
また、同じ制作会社内でも、クリエイターが異なれば、見積もり金額が異なる場合もあります。
動画制作の見積もりを安くする際のポイントは、下記の3点です。
それぞれ順番にご説明します。
動画素材は、ハンディタイプのビデオカメラを持っている知人や社員から、カメラを借りて撮影すれば、カメラマンの費用を抑えることができます。
家庭用カメラのため、画質はプロ用の機材を使った場合と比べて劣りますが、画質にこだわらないのであれば、自社で動画素材を準備したほうが、見積金額を安くできます。
メインとなる素材は制作会社に撮影してもらいつつ、カットインなどに使用する動画は自社で用意してしまうのも手段の1つです。
画像素材についても、商用利用可能なフリー素材がネット上に多くありますので、そのようなフリー素材を活用したり、自社で画像素材を提供出来るのであれば、見積金額を安くできます。
動画の長さが長いほど、見積もり金額は高くなります。
動画の長さが長くなると、それに連動して「企画・構成費用」「動画作成費用」「人件費」「機材費・撮影場所費」が高くなることがあります。
削れる部分は可能な限り削ったり、伝え方を変えてみたりすることで、できる限り動画の長さを短くする工夫をしてみましょう。
キャストやエキストラを制作会社に依頼せず、自社の社員や知人に出演してもらうことで、人件費を抑えることができます。
特に、俳優やモデルをキャスティングする場合は、かなりの人件費がかかります。
プロのキャストに比べて、ビジュアルや演技力は劣りますが、見積金額を大きく抑えられます。
本記事では、動画制作における見積書の見方や、見積もりを安くする際のポイントについて解説しました。
動画制作の見積書の項目には、下記のようにさまざまな種類があります。
それぞれの費用は、見積もりを取る制作会社によって大きな差があります。
同じ見積書の項目であっても、制作会社によって作業範囲が異なれば、金額も大きく変わります。
見積書の中で不明点がある場合は、必ず制作会社に質問をした上で、削れるポイントがないかを確認することが大切です。
「どこまでを自社で対応するのか」や、「他に費用削減できるところはないか」を、制作会社とよく相談しながら、納得のいく動画を制作してもらいましょう。