街中やSNS、映像など何を見ていても目にするもの
広告ってありますよね?
あの広告おしゃれだな、なぜおしゃれなんだろう
そう思ったことはありませんか?
それはうまく余白を使っているからです。
今回はこの「余白」について説明していきます。
デザイン用語では「ホワイトスペース」とも呼びますが
実際余白と聞くと余った部分というイメージが一般的です。
しかしデザインの世界では余ってしまうのではなく、
意識的に空間を開けることが余白なのです。
まずは例としてこちらのポスターを見てみてください。
例1
このポスター、決しておしゃれじゃないわけではないですよね。
一般的な人が見て
「あぁ、これ可愛いお菓子屋さんの広告なのね」となるレベルです。
先ほどと比べてこちらのポスターはいかがでしょう
例2
この二つのポスターを見比べて何が違うのでしょうか
簡単に言うと、1のポスターに比べて2のポスターの方が「余白」が多いので
スッキリとスタイリッシュな印象ですよね。
1のポスターは色味に統一感があるように感じますが、全ての情報が大きくて
どの情報を最優先に伝えたいのかがわからないですよね。
全体的に主張が強いといった感じです。
一方、2のポスターは伝えたい情報ごとに空間を作ることで
少し伝わりやすくなったと思いませんか?
あまりベタ塗りの部分を作らないことでそれぞれの主張の強さも変わりましたよね?
ちなみにこの二つのポスターはadobe Illustratorを使用して作りました。
Illustratorについてはこちら
なぜ余白は重要なのか
それは主に三つの理由があります。
情報の干渉緩和とは数多くある情報同士の主張を緩め和らげることです。
様々な要素がぎっしり詰まっているとそれぞれの主張が激しく、
どれが重要なのかわからなくなり、見栄えも悪く感じてしまいます。
こういったところからやはり文字周りには特に余白が必要となってきます。
文字は写真やイラストと違って一目見て内容を把握できるものではないですし、
余白がなくビッシリ詰まっていると目の休まるところがなくなってしまいます。
そうなると「読みにくさ」「見にくさ」が出てしまい、余裕がないようにも見えてしまいます。
見る人の目を休ませるためにしっかりとホワイトスペースを作ることも大事です。
広告は上記で説明したように綺麗にまとまっていないと
どの情報から見れば良いのかわからなくなるように
うまく余白を使うことで読む順番を知らず知らずと誘導することができます。
「Zの法則」と呼ばれる代表的な視線誘導の法則があります。
下の四つの文字列をご覧ください。
こちらのテキストはどの順番で読めば良いのか、途中でわからなくなりそうですよね。
一方、こちらの文字列はどうでしょうか
乱雑な配置ではありますが、サイズ感などの調整で
余白が生まれたことから知らず知らずのうちに
アルファベットのZの書き順で文字を見ませんでしたか?
このように人間は初めて見るものを左上→右上→左下→右下といったように
アルファベットのZを描くように読んでいく習性があると言われています。
この習性を「Zの法則」と言います。
このZの法則を利用し、しっかりと読んでもらえるように余白を使うことで
より読み順を誘導することができるといえます。
スーパーのチラシをみなさん見たことがあるでしょうか、
あのようなチラシは安さや盛りだくさんということを強調するために
あえて余白を最小限にしたデザインとなってます。
食材の写真や値段などの文字で埋め尽くされて、余白はほとんどありません。
スーパーなど安さを売りにしている場合はあえてこの手法を用いています。
つまりは逆におしゃれさ、高級感を出したければ余白をうまく使うという
ことが大切なのではないでしょうか。
例えば、高級なアパレルブランドやコスメブランドの広告は
余白が大きく取られていて写真と店名だけ、なんてパターンも多いですよね。
高級感のあるポスターは周りに大きな余白を取るため
無地の枠が付いていたりすることも多く見られます。
このことからやはり高級感を出したい場合も余白が大切ということになってきます。
デザインに言えることは我々映像制作の世界においても言えることで、
映像作品に関してもたくさん詰め込まれているよりも洗練された情報が余白をうまく使い、まとめられている方がおしゃれに見えます。
またこういった余白の知識はさらに奥深く、
普段の生活にも家具を置く時や料理の盛り付けなど様々な場面でも多く活躍するはずです。
電車に乗った時や雑誌を読んだ時などそういった広告を見る機会にぜひ一度余白の取り方なども注目して見てみてください。
余白もデザインの一つとしてうまく活用していき
しっかり伝えて人の心に残るデザイン作りをしていきましょう。