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2024.8.22

企業VP制作の流れ完全ガイド〜初心者でもプロフェッショナルに仕上げるための実践方法〜

今まで、一般的に企業が制作する広告映像はテレビCMでしたが、近年ではオンラインで配信できる企業VPに注目が集まっています。
Facebook、YouTubeやInstagramなど、企業VPを発信できる媒体は多いため、より多くのユーザーに動画を見てもらえることができます。

この記事では企業VP、その制作の流れについて詳しく解説していきます。
企業アピールのツールとして企業VPが気になっていた方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.企業VP制作の全体像

制作プロセスの概要

企業VPの制作は、いくつかの主要なステップに分かれています。

まず最初に企画段階で、ビデオの目的やターゲットとなる視聴者をはっきりさせます。
ここでは、ストーリーボードやスクリプトを作成します。
次に、撮影に向けた準備として、ロケーション選びや出演者、撮影スタッフの手配を行います。

そして撮影フェーズでは、計画通りに実際の撮影を行い、必要な映像を集めます。
撮影が終わったら編集フェーズに移り、映像を編集したり、音声を調整したり、グラフィックやアニメーションを追加して完成度を上げます。

その後、初回編集版を確認し、必要な修正を行うフィードバックと修正の段階に進みます。

最後に、完成したビデオを公開し、SNSやウェブサイトでプロモーションを行って多くの人に見てもらいます。

成功する企業VPの特徴

成功する企業VPにはいくつかの共通点があります。
まず、見ていて魅力的で視聴者の関心を引くことが重要です。

これは、高品質な映像と上手な編集によって実現します。

また、明確なメッセージと一貫したストーリーがあると、企業のビジョンや価値観、製品やサービスの良さを分かりやすく伝えられます。

さらに、視聴者に何かしらの行動を促す「コール・トゥ・アクション」を含めると、ビデオの目的を達成しやすくなります。

最後に、視聴者からのフィードバックを活かしてビデオを改善し続けることで、企業VPの効果を最大限に引き出せます。

2. 企画段階

目標設定と目的の明確化

企業VPの目標設定(ブランド認知、製品紹介、リクルートなど)

企業VPを制作する前に、まず何を達成したいのかを明確にすることが重要です。

例えば、企業のブランド認知度を高めたい、特定の製品やサービスを紹介したい、新しい人材を採用したいなど、目的によってビデオの内容やアプローチが変わってきます。
具体的な目標を設定することで、制作の方向性が定まり、効果的なビデオを作成することができます。

ターゲットオーディエンスの特定

次に、ビデオを見る視聴者を明確にします。

ターゲットオーディエンスを特定することで、その人たちに響くメッセージを作りやすくなります。
例えば、若年層向けのビデオとビジネスパートナー向けのビデオでは、アプローチや内容が大きく異なります。
ターゲットが誰なのかを理解し、その人たちに最も効果的に伝わる方法を考えましょう。

コンセプトとメッセージの決定

企業の強みやメッセージの洗い出し

企業VPを制作する際には、企業の強みや伝えたいメッセージを洗い出すことが重要です。
これにより、視聴者に企業の何を伝えたいのかが明確になります。
例えば、「革新的な技術を持っている」「顧客サービスが優れている」「社員が働きやすい環境を提供している」など、企業独自の強みをピックアップしましょう。

ストーリーテリングの重要性

ビデオのメッセージを効果的に伝えるためには、ストーリーテリングが重要です。
単に情報を羅列するのではなく、視聴者の心に響く物語を作りましょう。
例えば、製品が開発されるまでの背景や、それによって解決される問題、実際の使用シーンなどをストーリーとして描くことで、視聴者はより深く内容に共感しやすくなります。

ストーリーテリングを通じて、企業のメッセージを強く印象付けましょう。

3.企画書作成と予算設定

企画書の作成

ストーリーボードの作成

ストーリーボードは、ビデオの各シーンを視覚的に表現したもので、制作の青写真となります。まず、ビデオの全体の流れを考え、主要なシーンを絵や写真で描き出します。これにより、撮影する内容が明確になり、制作チーム全員が同じイメージを共有できます。特に、シーンの順番やカメラアングル、重要なセリフやアクションなどを詳細に記載すると、撮影がスムーズに進みます。

スクリプト(台本)の作成

スクリプトは、ビデオの内容を言葉で詳細に記述したものです。ナレーションや出演者のセリフ、カメラの動き、音楽のタイミングなどを含めて書きます。具体的なセリフや説明文を作成することで、撮影時に迷うことがなくなります。スクリプトを作成する際は、ターゲットオーディエンスに合わせた言葉遣いや表現を意識すると良いでしょう。

予算設定と見積もり

予算の内訳と配分

ビデオ制作にはさまざまな費用がかかります。
予算を設定する際には、以下の項目を考慮します:

  • 撮影費用:ロケーション費、出演者のギャラ、スタッフの人件費など。
  • 機材費用:カメラ、照明、音響機材のレンタル費や購入費。
  • 編集費用:映像編集、音声編集、グラフィック制作費。
  • その他の費用:移動費、食事代、小道具や衣装代など。

これらの費用を見積もり、それぞれに適切な予算を配分します。
予算を明確にすることで、無駄な出費を抑え、効率的に制作を進められます。

コストを抑えるためのポイント

ビデオ制作のコストを抑えるためには、いくつかのポイントがあります:

  • 計画的なスケジュール:撮影日数を減らすために、事前の準備をしっかりと行います。
  • ロケーションの工夫:無料または低コストで利用できる場所を選びます。
  • 機材のレンタル:購入ではなく、必要な期間だけ機材をレンタルすることでコストを抑えます。
  • スタッフの最適化:必要最低限の人数で効率よく作業を進めます。

4.前準備(プリプロダクション)

ロケーションと撮影許可

撮影場所の選定と許可取得

撮影場所の選定は、ビデオの雰囲気やメッセージを効果的に伝えるために重要です。

まず、ビデオの内容に適した場所をいくつかリストアップし、それぞれの場所がどのように見えるかを確認します。

選定後、撮影許可が必要な場合は、早めに申請を行いましょう。

例えば、公園や公共の建物で撮影する場合、自治体や管理者に連絡して許可を取得する必要があります。

許可を取得しておくことで、撮影当日にトラブルを避けられます。

必要な機材リストの作成

撮影に必要な機材をリストアップし、事前に準備します。基本的には以下のような機材が必要です:

  • カメラ:高画質なビデオカメラや一眼レフカメラ
  • レンズ:広角や望遠など、撮影シーンに応じたレンズ
  • 照明:自然光だけでは不十分な場合、照明機材を準備
  • 音響機材:マイクや録音機器、風防など
  • 三脚やスタビライザー:カメラを安定させるための機材

これらの機材を事前にチェックし、必要に応じてレンタルや購入の手配を行います。

キャスティングとスタッフの手配

出演者の選定とキャスティング

ビデオに登場する出演者を選定します。

出演者はプロの俳優やモデル、あるいは社内のスタッフなど、ビデオの目的に合った人材を選びます。
選定後、出演者とのスケジュールを調整し、リハーサルや衣装合わせなどの準備を行います。
また、出演契約書を作成し、役割や報酬などの詳細を明確にしておくとスムーズです。

撮影スタッフの手配

撮影を円滑に進めるために、必要なスタッフを手配します。
通常、以下のようなスタッフが必要です:

  • ディレクター:撮影全体を指揮し、演出を担当
  • カメラマン:映像の撮影を担当
  • 音響担当:音声の録音や調整を担当
  • 照明担当:照明機材の設置と調整を担当
  • プロデューサー:全体のスケジュールや予算管理を担当

5.撮影フェーズ(プロダクション)

撮影の進行

スケジュール管理と進行

撮影フェーズでは、計画的なスケジュール管理が重要です。
撮影の日程や時間を事前に決め、各シーンの撮影順序をスケジュール表にまとめます。
これにより、撮影当日に何をどの順番で撮るかが明確になります。
撮影の進行をスムーズにするために、各シーンの準備時間や撮影時間、休憩時間を適切に配置し、時間の無駄を減らします。
スケジュール表は全スタッフに共有し、全員が同じ情報を持っている状態にしておくと良いでしょう。

撮影テクニックとコツ

効果的な撮影にはいくつかの基本的なテクニックがあります。
まず、安定した映像を撮るために三脚やスタビライザーを使用しましょう。
カメラの動きやアングルにも工夫が必要で、視覚的に興味を引く構図を考えます。
例えば、被写体を画面の中心から少しずらす「三分割法」や、奥行きを持たせるために前景、中景、背景を意識した構図が効果的です。
さらに、シーンごとに適切なズームインやズームアウト、パンニング(横移動)、ティルト(上下移動)を使い分けることで、映像に動きとダイナミズムを加えることができます。

音声と照明

音声収録の注意点

良い音声はビデオの品質に大きく影響します。
音声収録には専用のマイクを使用し、ノイズを最小限に抑えることが重要です。
屋外での撮影では風の音を防ぐために風防を使い、室内ではエコーを抑えるために適切な音響対策を行います。
また、マイクの位置にも注意し、出演者の声がクリアに収録されるように調整します。
音声チェックはこまめに行い、問題があればその場で対処することが大切です。

照明設定の基本

照明は映像の雰囲気や見栄えを大きく左右します。
自然光を利用する場合でも、追加の照明を使って被写体をより明るく、鮮明に見せることができます。
基本的な照明設定には、主光(キーライト)、補助光(フィルライト)、バックライトの三点照明があります。
主光は被写体の正面から照らし、補助光は主光による影を和らげるために使います。
バックライトは被写体の後ろから照らし、立体感を出す効果があります。
これらの照明をバランスよく配置し、自然で魅力的な映像を作り上げましょう。

6.編集フェーズ(ポストプロダクション)

映像編集

編集ソフトの選定と使用方法

映像編集の第一歩は、適切な編集ソフトを選ぶことです。
初心者には使いやすいインターフェースを持つソフトが良いでしょう。
例えば、Adobe Premiere ProやFinal Cut Proはプロフェッショナルにも使われる強力なソフトです。また、初心者向けにはiMovieやDaVinci Resolveも使いやすい選択肢です。ソフトを選んだら、基本的な使い方を学びます。オンラインチュートリアルやガイドを参考にしながら、カット、トリム、シーケンスの作成などの基本操作を習得しましょう。

映像のカットとシーケンス作成

映像編集の基本は、撮影した映像をカットして必要な部分だけを残し、シーケンスとしてまとめることです。
まず、撮影素材を確認し、使いたいシーンを選びます。
次に、不要な部分をカットし、シーンをつなぎ合わせます。この際、シーンの流れが自然で視覚的に心地よいものになるように心がけましょう。
シーケンスの作成では、ストーリーが分かりやすく伝わるように、シーンの順序やトランジション(シーン間の切り替え効果)を工夫します。

音声編集とBGMの選定

音声のクオリティ向上

映像の音声クオリティは、視聴者の体験に大きな影響を与えます。
まず、収録した音声のノイズを除去し、クリアな音声にします。編集ソフトのノイズリダクション機能を使うと効果的です。
次に、音声の音量を調整し、すべてのシーンで均一な音量になるようにします。
必要に応じて、イコライザーを使って音質を調整し、ナレーションや対話が聞き取りやすくなるようにしましょう。

効果音とBGMの追加

ビデオに効果音やBGM(バックグラウンドミュージック)を追加することで、視覚と聴覚の両方で視聴者を引き込むことができます。
効果音はシーンの動きやイベントを強調するために使います。
BGMは、ビデオ全体の雰囲気を作り出す重要な要素です。
適切な音楽を選び、ビデオのテーマやメッセージに合ったものを使いましょう。
また、音楽の音量を調整し、ナレーションや対話を邪魔しないようにバランスを取ることも重要です。

グラフィックとアニメーション

タイトルやテロップの挿入

ビデオにタイトルやテロップを挿入することで、情報を視覚的に補足できます。
タイトルはビデオの冒頭やセクションの切り替えに使い、視聴者にテーマや内容を明確に伝えます。
テロップは、重要なポイントや話している内容を補足するために使います。
編集ソフトのテキストツールを使い、フォントや色、位置を工夫して、見やすくデザインします。

アニメーションの活用

アニメーションを使うことで、ビデオに動きや視覚的な興味を加えることができます。

ロゴの登場やタイトルの表示など、ビデオの特定の要素にアニメーションを適用すると、プロフェッショナルな仕上がりになります。
編集ソフトにはさまざまなアニメーション効果が用意されているので、試してみてビデオに最適な効果を選びましょう。
過剰に使わず、必要な部分だけに適用することで、ビデオ全体のバランスを保ちます。

7.フィードバックと修正

初回編集の確認

初回版の確認とフィードバック収集

ビデオの初回編集が完了したら、まずは関係者に確認してもらいます。
初回版は「ラフカット」とも呼ばれ、全体の流れや主要なシーンが揃っている状態です。
この段階で、ディレクターやプロデューサー、クライアントなどの関係者からフィードバックを集めます。
フィードバックを効率的に収集するために、オンラインで共有できるプラットフォームを使用すると便利です。
関係者の意見を聞き、ビデオのどの部分が良かったか、どこを改善すべきかを明確にします。

修正ポイントの具体例

フィードバックをもとに、どの部分を修正するかを具体的に決めます。
以下は修正ポイントの具体例です:

  • シーンの長さ:一部のシーンが長すぎる場合、短縮してテンポを改善します。
  • 音声の調整:音量が不均一な部分を調整し、聞き取りやすくします。
  • 映像の質:画質が悪いシーンやブレがある部分を修正します。
  • テキストやグラフィック:誤字脱字を修正し、デザインを整えます。

これらの修正を行い、ビデオの完成度を高めていきます。

最終調整

最終版の調整と確認

修正が完了したら、ビデオの最終版を作成します。
この段階では、細部にわたる確認と微調整を行います。
音声と映像の同期、テキストやグラフィックの位置、効果音やBGMのバランスなど、すべてが完璧に仕上がっているかを確認します。

また、視覚的に違和感がないか、メッセージが明確に伝わるかを再度チェックします。

クライアントとの最終確認

最終版が完成したら、クライアントに最終確認をしてもらいます。
クライアントの意見を聞き、必要に応じて最後の調整を行います。
この段階での修正は基本的に微調整となるため、クライアントの満足度を高めることが目的です。

クライアントが完全に納得したら、ビデオは完成となります。

8.公開とプロモーション

ビデオの公開

公開プラットフォームの選定

ビデオを公開するプラットフォームを選ぶことは非常に重要です。
まずは、ビデオの目的やターゲットオーディエンスに最適なプラットフォームを選びましょう。
例えば、YouTubeは広範な視聴者にリーチできるため、多くの企業が利用しています。
また、企業の公式ウェブサイトにビデオを掲載することで、訪問者に直接見てもらうことも効果的です。

その他、Facebook、Instagram、LinkedInなどのSNSプラットフォームも、ビデオの種類やターゲットに応じて適切に選択します。

公開日時の設定

ビデオの公開日時も成功の鍵となります。
ターゲットオーディエンスが最もオンラインで活発な時間帯を選ぶことが重要です。
例えば、平日の昼休みや夕方、週末など、視聴者がリラックスしている時間帯を狙うと良いでしょう。
また、特定のイベントやキャンペーンに合わせて公開することで、注目度を高めることもできます。
公開前には、告知を行い、視聴者の期待を高めることも効果的です。

プロモーション戦略

SNSやウェブサイトでの活用

ビデオを公開した後は、SNSやウェブサイトを活用して広くプロモーションを行います。
SNSでは、ビデオのハイライトやキャッチーなサムネイルを使って視聴者の興味を引きます。
また、視聴者がシェアしやすいように、シェアボタンやハッシュタグを活用しましょう。
ウェブサイトでは、トップページや関連するページにビデオを埋め込み、訪問者にすぐに見てもらえるようにします。
ブログ記事やニュースレターにもビデオを紹介することで、さらなる視聴者を獲得できます。

効果的なプロモーション手法

プロモーションを効果的に行うためには、いくつかの手法を組み合わせることが重要です。
まず、有料広告を活用して、ターゲットオーディエンスにリーチを広げます。
Google広告やSNS広告は、特定の興味や行動に基づいて視聴者をターゲットにすることができます。
また、インフルエンサーや業界のキーパーソンと連携し、彼らのフォロワーにビデオを紹介してもらうことで、信頼性と視聴者数を増やすことができます。
さらに、ビデオ公開後の反応をモニタリングし、フィードバックを基にプロモーション戦略を調整することで、効果を最大化できます。

10.まとめ

企業VP制作の全体の流れを振り返ると、企画段階から準備、撮影、編集、フィードバック、そして公開とプロモーションまで、いくつかの重要なステップがあります。

成功のカギは、まずはっきりとした目標設定とターゲットオーディエンスの特定です。
そして、魅力的なストーリーテリングや、適切な機材の準備、しっかりとしたスケジュール管理、そして丁寧なフィードバックと修正がポイントとなります。

これからは、視聴データを活用して継続的に改善を行うことで、さらに効果的なビデオ制作を目指しましょう。

これにより、企業のメッセージを効果的に伝え、ブランドの価値を高めることができます。

ビデオ制作のプロセスを丁寧に進め、細部にまで気を配ることで、視聴者に強い印象を与える魅力的な企業VPを制作することができるでしょう。

     

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