動画広告は今や最も勢いのある効果的なマーケティングのひとつです。
動画広告の代表的な種類としては4つあり、インストリーム広告、インリード広告、インバナー広告、オーバーレイ広告があります。それぞれの特徴は次のようになっています。
従来のバナー広告に比べて大画面で表示され、音声がデフォルトでONの状態で表示される動画広告です。YouTubeなどの動画サイトでは動画コンテンツと同じ画面に表示され、本編の動画が始まる前や途中、コンテンツ終了後に再生されます。
さらにインストリーム広告の場合、視聴者に広告の視聴をスキップできる“スキッパブル広告”とスキップすることができない“ノンスキッパブル広告”の2種類があります。
スキッパブル広告の場合、スキップせずにフル視聴すると、1分30秒~数分におよぶ動画広告も増えています。ノンスキッパブル広告の場合は、15秒くらいの尺のものがほとんどです。
テキストコンテンツのWEBページの中に挿入される動画広告のことで、ページをスクロールして画面に動画広告が現れたら動画が自動的に再生される仕様の広告です。動画広告が画面内に正しく表示されたときにのみ再生されるため、枠内のところまで閲覧されなかった場合は視聴されないというデメリットもあります。
サイト内のバナー広告枠で配信される広告のことで、音声はデフォルトでOFFとなっています。従来のバナー枠に表示されているものです。そのため、動画サイトを利用していないテキスト記事等を主に利用しているようなユーザーに対してもアプローチすることができます。
WEBページで一定の位置に固定されて前面に表示される広告のことです。WEBで記事を読んでいる際などにその記事に覆いかぶさるように表示される特徴があります。クリックを誘発するようなアニメーションがあることも多く、スクロールに影響を受けないというメリットがあります。
では動画広告市場が勢いがあり伸びているのはなぜなのでしょうか。そのメリットとしては次のような要因があります。
人の目は動くものに反応する習性があるため、動画広告は静止画の広告よりも目に留まりやすくなります。そのため、広告の第一目的ともいえる“まず視聴してもらう”という目標を達成しやすくなるのです。さらに、文字よりも動画の方が記憶に残りやすいという実験結果もあります。
文章を読むのが苦手という方はいらっしゃるかと思いますが、動画を見るのが苦手という方はあまり聞いたことがないのではないでしょうか。動画にすることで、文章を読むよりもわかりやすく短時間で情報を伝えることができ、視聴者側の負担もなくすことができます。
動画広告は短時間で大量の情報を視聴者に伝えることができます。実際に、1分間の動画の情報量を文字に換算すると180万字分の情報量があるともいわれています。
文字や言葉だけでは説明が難しいような商品でも、音声や視覚的イメージで飽きさせることなく短時間で伝えることができ、また動きがあるものや、実際に使用しているイメージなども具体的に伝えることができるため、視聴者は自分が実際に使用している姿を簡単にイメージすることができ、親近感を持って視聴してもらうことができ、購入へのハードルを下げることができます。
動画広告ならではの強みともいえるのが拡散のされやすさです。動画広告をみて気に入ってもらえれば、視聴者自身がその動画広告を宣伝、拡散してくれる可能性があります。影響力のある芸能人が宣伝し拡散した場合はいっきに人気に火が付き、広告の認知が拡大することもあるでしょう。
では、いざ動画広告を掲載しようと考えた場合に、どの媒体に掲載するのか、というのも大きなポイントとなります。現在主流となっているYouTube、Facebook、Twitter、Instagramについてそれぞれの媒体の特徴をご紹介します。
圧倒的なユーザー数を世界中に保有しており、その利用者の年齢層も10代から50代までと幅広く利用されているため、動画広告の掲載を検討する際には一番に頭に浮かぶ媒体となるかと思います。また、ユーザーは動画視聴を目的に訪れるため、動画広告についても違和感なく受け入れてもらうことができます。
また、YouTubeでインストリーム広告を利用する場合、スキップされれば広告費用は発生しないため、視聴単価を抑えたい方にも有効です。
また、地域や性別、年齢、好み、キーワード、時間帯や曜日などを設定することができ、ターゲットを絞ることもできます。その中でも興味を持っているユーザーだけが視聴することとなるため、費用対効果が高いことが特徴です。
ただし、インストリーム広告は5秒後にスキップできるため、5秒で興味をもってもらえるような動画にする必要があるため、制作に力を入れて行う必要があり、時間や費用が予定よりかかってしまう場合があります。
FacebookはTwitter、Instagram、LINEに並ぶ4大SNSの中でも世界最大規模を誇っている媒体です。男女比もそれぞれの年代でほぼ1:1となっていることも特徴です。実名登録制のためリアルの繋がりをベースとしており、誕生日や出身校、勤めている会社、また所属するコミュニティなどユーザーの人生の過程がデータとして把握することができ、精度の高い個人情報が管理されています。
これらの情報を利用して細かいターゲティングを行うことができます。広告が掲載される形態についてもニュースフィードやストーリーズなど様々あり、広告主の希望に沿って選択できます。
手軽に利用できる身近なSNSとして人気なTwitterは、日常のつぶやき感覚で投稿をしたり、フォローしているユーザーの投稿を閲覧することができます。Twitterの機能の中でもリツイート機能は、フォロワーの域を超えた不特定多数への拡散が見込めるため、他のSNSに比べて二次拡散が期待しやすい媒体です。
また、FacebookやInstagramなどリアル向きなSNSと比べて、Twitterは趣味嗜好が類似する仲間がネット上で繋がっているユーザーも多いため、ひとりが拡散した場合に同じ趣味嗜好を持っている潜在層にも興味を持ってもらえる可能性も増えるのでます。
Twitterの広告にはいくつか種類がありますが、タイムライン上のツイートの間に差し込まれる動画広告であるプロモビデオや、ユーザーばその日初めてログインした際にトップに表示される動画広告であるファーストビューなどがあります。
インスタ映えというワードが流行語大賞となったことで広く知られており、近年ユーザー数がどんどん伸びており、企業のInstagramの動画広告への参入が増えています。TwitterにかわるSNSとも言われており今注目されていますが、特に若い女性の利用率が高く、こちらの層をターゲットとしている場合は効果が発揮しやすくなります。
Instagramの動画広告としてはフィード上に自動で動画広告を再生されるものや、ストーリーに表示されるストーリーズ広告があります。
今まではテレビコマーシャルが主要メディアとして力を入れてこられていましたが、ネットでの動画広告市場は急速に成長しており注目が集まっています。また、SNS等で広告する方が、テレビコマーシャルに比べてターゲットが絞りやすいところも理由のひとつでしょう。また、スマートフォンは若者だけでなく中高年にもパソコンを超えるインフラとして定着しており、広告市場にも大きく影響しています。
ここまで動画広告が拡大してきている理由として、スマートフォンでの動画視聴の増加が考えられます。デバイス別で見てもパソコンとスマートフォンを比べた場合、スマートフォンでの動画視聴が圧倒的に加速しています。そこで、スマートフォンで視聴されることを前提とした動画広告の制作も多く行われています。
通信環境の悪いところであれば、動画が途中で止まるなどのストレスにより動画広告に対してマイナスな感情を与えてしまいかねないデメリットもありますが、今後5G開始により高速かつ大容量の通信が可能となることや、Wi-Fi環境が整備されていくなかでは動画広告の市場はより高まっていくことでしょう。ぜひ新たなアプローチ手段として動画広告を活用してみてはいかがでしょうか。