これから映像制作に取り組もうとされている方の中には、映像の構成をどのように作ればいいかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
構成が大切なのは理解しているものの、どのような流れでつくればよいかわからない方もいらっしゃると思います。
本記事では、映像制作における構成の作り方について、その具体的な流れを解説します。
これから映像制作の構成を作ろうとされている方は、ぜひ本記事を参考にしていただき、視聴者へ想いを伝えられる映像作りに役立てて下さい。
映像制作における構成とは、どのような流れと内容で映像を作っていくかという、映像制作の「設計書」のことをいいます。
あらかじめ構成を作ってから映像を作ることで、スムーズに映像が作れます。
もし、構成を作らずに映像を作りはじめた場合、途中で何度も撮り直しをしたり、何を伝えたいのかよくわからない映像になったりします。
手間はかかりますが、まずはきちんと構成を作ってから制作をはじめることが大切です。
構成以外にも、映像制作の土台となる要素として「脚本」が作られることがあります。
ここで、映像制作における構成と脚本の違いについて解説しておきます。
構成は、映像の各シーンの内容と時間経過をまとめたものです。簡単なイラストと、内容、ナレーション、時間で、映像の流れがわかるように作成されます。
撮影の進行表として役割もあり、スムーズな撮影・編集作業には欠かせないものです。
一方脚本は、ナレーションやセリフの内容、場面設定を書き起こしたものです。
一般的には、セリフ・行動・場面の3つを含めた内容で作られます。
構成は、以下の理由から、映像制作で必ず構成を作るべきであると言えます。
それぞれの理由について、順番に詳しく解説します。
あらかじめ構成を作っておくことで、あとから作り直しをする可能性を下げられます。
なぜなら、構成を作らずに「行き当たりばったり」で映像制作を作りはじめると、作ろうとしている映像の全体像がイメージできないため、修正しながら作らざるをえなくなるからです。
映像のコンセプトが固まっていないので、映像を撮ったあとで「やっぱりこんなふうにしたい」といったことが起こりやすくなります。
余分な費用がかかったり、納期に間に合わなかったりする可能性があるため、しっかり構成を作っておきましょう。
構成を作っておくことは、強みや魅力的なポイントを確実に訴求できることにつながります。
なぜなら、映像の中で特に伝えたいことを明確にしておけば、内容の抜け漏れが出たり、軸がぶれたりすることが少なくなるからです。
構成を作らずに映像制作を行うと、視聴者にとって「なにが言いたいのかわからない」映像になってしまいがちです。
構成を作り「何を伝えたいのか」を明確にすることで、強みや魅力的なポイントを確実に視聴者へ訴求できます。
構成にもとづいて映像制作を行うことで、結果的にコストを下げられます。
なぜなら、制作の手戻りで発生する費用を抑えられるからです。
映像を構成に沿って制作できれば、手戻りのない作業ができるため、構成なしで映像を作るのに比べて、余計なコストがかかりません。
予算内で質の高い映像を制作するためにも、必ず構成を作るようにしましょう。
では、どのように構成を作ればよいのでしょうか。
ここで、映像制作の構成を作る具体的な流れを解説します。具体的な流れは以下のとおりです。
それぞれ順番に解説します。
まずは、映像の目的をしっかりと決めましょう。
なぜなら、どんなに見た目が素晴らしい映像でも、目的がはっきりしない映像では、視聴者の心に響かないからです。
「自社商品・サービスの認知度向上」が目的なのか、「新たな社員の採用活動」が目的なのかなど、何を目的にするかによって、映像の構成が大きく変わってきます。
映像制作の目的は、構成の最重要部分なので、必ず明確にしてください。
目的を決めたら、映像を見てもらいたいターゲットを決めましょう。
「誰に向けた映像なのか」という部分ですが、ターゲットをはっきり決めておかないと、訴求力の低い映像になります。
映像による訴求は、決して万人に受け入れられる必要はありません。
しかし、伝えたい相手に伝えたいことを確実に届けることに注力するのが大切です。
次に、映像について、6W1Hに当てはめてそれぞれの内容を明確にしましょう。
なぜなら、6W1Hを明確にすることで、映像の構成が明確になるからです。
6W1Hとは、以下の内容のことをいいます。
上記の6Wを明確にして、How(どのような)映像を作るのかを考えていくと、軸がブレにくくなります。
6W1Hに当てはめた内容が明確になったら、フレームワークを活用して構成を考えていきましょう。
フレームワークとは、「起承転結」や「CAMS」などの、見せ方・伝え方の順序のことです。
フレームワークに沿った見せ方・伝え方をすることで、視聴者にコンテンツをわかりやすく伝えられます。
起承転結のフレームワークでは、以下のような流れで伝えます。
CAMSのフレームワークでは、以下のような流れで伝えます。
「起承転結」または「CAMS」の流れに沿って構成を作れば、映像化したときに視聴者にとってわかりやすい映像になっているはずです。
最後に、全体を通して構成の流れを確認しておきましょう。
構成の各部分では、フレームワークに沿って作ってはみたものの、全体の流れとして確認すると、不自然な点が出てくることもあります。
視聴者が映像を最後まで見て、作り手が伝えたいことが印象に残るかが大切です。
「木を見て森を見ず」とならないよう、必ず最後に全体の流れを確認しましょう。
本記事では、映像制作の構成の作り方と具体的な流れについて解説しました。
構成は、映像の内容や流れを決める重要なもので、構成次第で視聴者の印象に残る映像がつくれるかどうかが変わってきます。
いきなり撮影に入るのではなく、しっかりと構成を練っておくことで、あとの撮影や編集がスムーズに進むだけでなく、視聴者に伝わりやすい映像となります。
面倒かもしれませんが、これから映像制作に取り組む方は、本記事を参考にしながら、まずは構成を固めていきましょう。