近年は、企業がビジネスで動画を活用する場面が増えてきており、それに伴い、動画制作を制作会社へ依頼する企業も増えてきました。
しかし、せっかく制作会社へ依頼したにもかかわらず、制作会社と企業との間の認識のずれにより、企業のニーズにマッチしていない動画ができあがってしまうケースもよくあります。
そのため、動画制作では、企業と制作会社との間で共通認識を持つための重要なドキュメントとして「動画制作の仕様書」が重要です。
本記事では、動画制作の仕様書について、作り方や、必要となる記載内容について解説します。
これから動画を、制作会社へ依頼しようとお考えの方へ担当者のかたは、ぜひ本記事を参考にしていただき、自社のニーズに合った動画制作ができるよう役立ててください。
動画制作の仕様書とは、制作する動画の内容や形式、制作スケジュール、予算などをまとめた文書のことです。
自社で仕様書を作成し、制作会社に共有することで、制作の目的や方針を明確化できます。
仕様書があれば、自社と制作会社の間の認識のずれやミスコミュニケーションを防ぐことができ、スムーズな動画制作ができます。
また、仕様書は制作会社にとっても重要な情報源となり、制作の指針として活用されます。
動画制作の仕様書には、フォーマットや項目に特に決まりはありませんが、主に以下の項目についてはきちんと明記しておくと、動画制作の際に役に立ちます。
それぞれの項目について、どのようなことを書けばよいかを順番に解説します。
動画制作の仕様書の中で、「動画制作の目的整理」は最も重要な項目です。
なぜなら、「この動画で何を達成したいのか」という内容を整理して明確にすることで、動画の全体的な方向性やイメージが固まるからです。
目的の例としては、「商品の売上を上げること」「ブランド認知度を高めること」「顧客の満足度を向上させること」といったものが考えられます。
できれば、もっと具体的に「月間売上を〇〇円伸ばしたい」といった数値化できる目標設定があるとよいです。
仕様書には、自社の事業概要も明記しておきましょう。
なぜなら、制作会社に自社の事業のことを理解してもらえると、自社の強みや、解決したい問題をイメージしてもらいやすくなるからです。
制作会社に事業概要を理解できれば、結果的に、自社のビジネスモデルや、業界の特徴、商品・サービスの特徴や利点、強みなどを効果的に伝えられる動画制作ができます。
制作会社が、自社の事業概要を理解していることは、価値のある動画を制作するために非常に重要です。
提案内容とは、制作会社側から提案してほしい内容のことをいいます。
もし制作会社から提案してほしい内容があれば、できるだけ明記しておくことをおすすめします。
なぜなら、自社では考えられないアイデアを、制作会社側から提案してもらうことで、より魅力的な動画制作が実現する可能性が高まるからです。
例えば、制作会社の過去の経験などから、以下のような点について提案をいただける可能性があります。
そのため、「○月○日までに納品希望です」とか「全体的に和風の雰囲気となるよう仕上げて下さい」といった内容を事前に制作会社へ伝えることで、動画制作のプロとしての提案を得られます。
仕様書へ法務要件を記載することで、動画制作による法的トラブルを軽減できます。
なぜなら、法的トラブルが起きたときに、契約書や法務要件に基づいて対応できれば、トラブルを未然に防げるからです。
動画制作では、以下の法的トラブルが起きる可能性があります。
以上のような法的要件を明確にしておけば、安心して動画制作ができ、制作会社とも良好な関係を維持できます。
動画制作でかけようと思っている予算感についても、仕様書へ記載しておきましょう。
なぜなら、自社と制作会社の双方が納得できる範囲内での提案や見積もりができるからです。
もし予算感を伝えずに見積もりを依頼した場合、想像よりもはるかに高い見積金額を提示される可能性もあります。
事前に予算感がわかっていれば、制作会社も、作りたい動画に対してどのような制作手法や素材を使用することができるのか、予算の範囲内で最適な提案を行えますので、予算感は必ず明記しておきましょう。
どの媒体で動画を公開しようとしているかも、必ず仕様書へ明記しておきましょう。
なぜなら、媒体によって求められる動画のデータ形式や尺、画質などが異なるからです。
YouTubeで公開する動画なのか、大型モニターで再生する動画なのかによって、最適な画素数が変わり、撮影機材も変わるため、制作費用も変わってきます。
掲載予定の媒体が明確になることで、制作会社側はそれに合わせた適切な制作プランを提案できます。
「誰に向けた動画なのか」というターゲットに関する具体的な情報は、仕様書の中でも、非常に重要な項目です。
なぜなら、ターゲット整理をすることで、自社が目指すビジネス目的やマーケティング戦略を、より具体的に制作会社へ理解してもらえるからです。
ターゲット整理が明確でない場合、動画がどのようなニーズに応えるものであるか、どのようなアプローチでアピールするかに迷いが生じ、制作に時間がかかってしまう可能性があります。
逆に、「20代女性向け」といったターゲット整理ができていれば、演出や音楽、話題のキャッチコピーなどに、20代女性が共感できる要素を盛り込む必要があるため、ターゲット層を明確にしておくことでクリエイティブ面でのアイデア出しもしやすくなります。
動画の訴求力を上げるためにも、ターゲット整理の内容は明記しておきましょう。
動画制作過程の中で、自社と制作会社がそれぞれ「どこからどこまでを対応するか」も明記しておきましょう。
なぜなら、予算や納期の調整がしやすくなったり、契約書作成の効率性を高めることができたりするからです。
自社と制作会社の役割や範囲が明確になっていれば、制作に必要な予算や、制作に要する期間も明確になります。
さらに、自社と制作会社の双方が何を担当するか、何を期待できるか、何を納品することができるか、といったことも明確になるため、コミュニケーションのズレや不足を回避することができます。
契約書作成の際にも、この点が重要になってきます。
動画制作を、よりスムーズに進めるためにも、双方の対応範囲を明確にしておきましょう。
つぎに、動画制作の仕様書を作る際に留意するべきポイントについて解説します。
留意するべきポイントは、以下の2点です。
それぞれ順番に解説します。
面倒かもしれませんが、動画制作の仕様書は、できる限り細かく作成しましょう。
主な理由は以下のとおりです。
仕様書に詳細に記載することで、自社と制作会社のイメージや想像が食い違うことを防げます。
具体的なイメージを共有し、細かい指示を出すことで、自社の要望を正確に反映できるため、制作会社も自社の期待に応えられ、品質も上げられます。
さらに、不必要な作業ややり直しなども減らせるため、コストや時間を削減できます。
また、仕様書に書かれた指示に沿って作業を進めている場合、どこで問題が起きたかを特定し、問題を解決できます。
満足のいく動画を作るためにも、仕様書はできるだけ細かく作成しましょう。
動画制作の仕様書を作成したら、必ず複数の制作会社に見てもらい、提案をもらうようにしましょう。
なぜなら、異なる会社が提案するクリエイティブなアイデアや、価格や納期などの条件を比較検討することができるからです。
複数の制作会社の提案を比較検討することで、自社に最も適した提案を選べるようになり、最終的に予算内で最適な動画制作を実現できます。
また、複数の会社から提案をもらうことで、自社のニーズに対する理解度や提案内容の質などを比較でき、より良いパートナーを選べる可能性が高くなります。
より理想的な内容・予算に近づけるためにも、仕様書は複数の制作会社に見てもらい、提案をもらうようにしましょう。
本記事では、動画制作の仕様書について、作り方から必要な項目までを解説しました。
動画制作の仕様書は、自社と制作会社とのコミュニケーションを円滑にし、効果的な動画制作につなげるために不可欠なドキュメントです。
仕様書作成時には、目的・ターゲット層・掲載媒体・予算感・納期・法務要件など、細かな項目を明確に記載し、自社と制作会社の双方が同じ理解を共有することが重要です。
また、複数の制作会社から提案をもらうことで、比較検討を行い最適な会社を選定できます。
適切な仕様書作成と提案比較により、自社のニーズにマッチした高品質な動画制作を実現しましょう。
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