カメラに慣れてくると、はじめの付属のレンズだけでは物足りなくなったり、他のレンズにも興味がわき、いろんなレンズを使ってみたくなりますよね。
レンズには様々な種類があり、それぞれ特徴が異なっています。
それぞれの特徴を生かした使い方をすることによって、より魅力的な写真を撮影することができます。
今回はレンズの種類やその特徴、使用用途等をご紹介いたします。
まずは、基本的なカメラ用語を解説します。
カメラで撮影した際に実際に写る範囲を角度で言い表したもののこと。
焦点距離とはレンズに記載されている「●●mm」と書かれた数字表記のことで、写真に収められる範囲(画角)を示しています。
数字が小さいほど、広い画角を写真に収めることができ、数字が大きい場合は狭い画角となり、一部を切り取った写真を撮影することができます。
レンズを通る光の量を調節する機構のことで、絞りの開き具合を数値化したものは“絞り値”、“F値”と言われます。
被写界深度とは、写真のピント(焦点)が合っている被写体側の距離の範囲のことです。その範囲が広い場合は被写界深度が深い、狭い場合は被写界深度が浅いと表現します。
カメラのイメージセンサーのサイズのうち、フィルムカメラのスタンダードであった35mm判フィルムと同じ36×24mmの大きさのイメージセンサーのことです。
一眼レフカメラを使用する場合は、カメラのボディとカメラレンズを組み合わせて使用します。
カメラレンズには、基本的に下記の役目があります。
撮影するシーンによって、レンズを変更して画角やボケ味等を調整する必要があります。
カメラボディと同様にカメラレンズも非常に重要です。
基本的にカメラのレンズの種類は下記の6つです。
それぞれご説明します。
広角レンズとは35mm(フルサイズ)換算でだいたい焦点距離35mm以下のレンズのことです。
広角レンズを使用すると、目で見た風景よりさらに広い画角を写真に撮ることができるため、広がりがある写真を撮影することができます。
スマホやコンパクトデジタルカメラ等でも使われているようなおなじみのレンズとなります。
ちなみに焦点距離が短い24mm以下のレンズは、超広角レンズとよばれています。
広角レンズには、下記のような特徴があります。
広い範囲が写るため、不要なものが写りこんでしまうこともありますが、広角レンズの特徴である、その画面の広さを生かした広がりのある写真を撮影してみましょう。
広角レンズのように被写界深度が深いレンズでは、手前から遠くまですべてにピントが合っている写真を撮影することができます。
この状態をパンフォーカスといい、全面にピントを合わせることで、詳細なディテールのくっきりした写真が撮れます。
急なシャッターチャンスが訪れるスナップ撮影などにも向いており、パンフォーカスで撮影するためには、短い焦点距離の広角レンズで絞りを絞り、ピント位置をカメラから離すことが条件となります。
望遠レンズとは焦点距離が長く、フルサイズ換算で焦点距離70mm以上などの画角が狭いレンズのことです。
望遠レンズの特徴としては、下記が挙げられます。
そのため、野鳥や運動会、発表会などのシーンでその効果を発揮します。
先ほどの、広角レンズと比較すると、望遠レンズの特徴は広角レンズの特徴と正反対となっていることにお気づきになったかと思います。
広角レンズを使用すると、画面の全面をくっきりと写すことができますが、逆にボカしたい場合は望遠レンズのほうが便利です。
標準レンズとは、画角が46度前後で、フルサイズ換算で焦点距離が40mm~60mmのレンズのことです。
広角レンズと望遠レンズの中間に位置し、最も人間の視覚に近い遠近感の描写を撮ることができます。
くせがなく様々な場面で使いやすいレンズであり、まずはこの標準レンズから使ってみようと考える方も多いかと思います。
ポートレート写真やテーブルフォトなどオールマイティに使用でき、特徴としては、撮影したいものとの距離が近くても撮影できることや、引きの写真が撮れます。
広角レンズ、望遠レンズ、標準レンズについてご紹介しましたが、これらのレンズ以外にも特殊なレンズなどさまざまにあります。
焦点距離(画角)が固定されているレンズのことで、ズームができないレンズです。
パンケーキレンズとも呼ばれる小型で軽量なものもあり、ズームレンズに比べて開放F値が小さくぼかしやすく、明るいレンズです。
被写体を2分の1倍から等倍に拡大して撮影できる接写用のレンズです。
単焦点レンズのひとつであり、焦点距離が変わらないレンズです。
主に花や虫、水滴や料理などを大きく撮影する際に使用されます。また、離れて撮影した場合も、ボケとピントの差をはっきり出した写真を撮影することができます。
通常のレンズだとピントが合わなかったり色がぼやけたりしてしまうところでも、マクロレンズであればきれいに撮影できます。
ただしピントが合う範囲が他のレンズと比べて狭いので手振れが発生しやすくなります。
焦点距離が短く、約180度もの広い範囲を撮影できる特殊なレンズです。
名前の由来としては、魚が水中から空を見上げた時の見え方が、水の屈折によって歪んで見えることからきています。
魚眼レンズには対角線魚眼と、円周魚眼の2種類があります。超広角レンズ以上に広い範囲を写す場合に使用されます。
通常のレンズは被写体を歪まさずに写すようにしていますが、魚眼レンズの場合は歪ませて広い範囲を写しだします。また、焦点距離が近いため、遠近感が誇張され迫力のある写真を撮影することができます。
ここからは実際にカメラレンズを選ぶ際に見ておくべきポイントを3つほど解説します。下記の通りです。
それぞれ順番にご説明します。
当たり前ですが、カメラボディの大きさに対応したレンズでなければ使用できません。
そのため、レンズを選ぶ際は、自分のカメラボディのマウントに適しているか確認しましょう。
同じメーカーでもレンズマウントによってレンズが使用できない場合もあります。
基本的に焦点距離というのは、フルサイズセンサー搭載カメラと同じ画角である35mmフルサイズ換算を基本とします。
したがって、APS-Cセンサーやマイクロフォーサーズセンサーを搭載したカメラでは、レンズに記載されている焦点距離=35mm館さんの焦点距離ではなくなります。
上記のようになるため、注意が必要です。
レンズによって手ぶれ補正がついているものがありますが、それぞれのレンズによって手ぶれ補正の効果が異なります。
そのため、レンズを購入する際は、各メーカーが記載しているレンズの仕様を確認するようにしましょう。
特に、シャッター速度換算で何段分であるのかを確認しておきましょう。
4段以上である場合、手ぶれ補正の効果は十分と言えます。
ここでは、3つのシーン別でカメラレンズの正しい選び方をご紹介します。
それぞれ順番にご説明します。
撮りたい画角が明確である場合は、焦点距離から選ぶようにしましょう。
たとえば、風景写真の場合は、広範囲を写すことが多いため、広角レンズを使用するのがおすすめです。
風景ではなく、人物をメインとした思い出の写真を撮影したい場合は、ある程度自由度の効く標準レンズがおすすめです。
背景をぼかした写真を撮りたいなど、ボケ味に優れた写真を撮りたい場合は、レンズの開放絞り値が低いF2.8以下のレンズを使用しましょう。
また、ボケ味を活かしたい場合は、カメラ側でオート撮影するのではなく、絞り優先モードなどで絞り値を開放に設定するようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。レンズは様々な種類があり、それぞれの特徴が異なっていることを知っていただけたかと思います。
撮影したいものや状況に合わせて自由にレンズを組み合わせて素敵な写真を撮影してみてください。
カメラや三脚、お手入れ等に関しては、下記の記事でも解説しているため合わせてご覧ください。